とても不思議な体験をしたので聞いてください。
信じられないかもしれませんが、僕が体験した嘘のような話です。
朝の出来事。
それは突然の事でした。
お店に入るやいなや、僕はぼけっとしてて誤って中島の足を踏んでしまったのです。
恐る恐る中島の顔を見上げると。
完っっ全に怒っている。
謝っても時すでに遅し。
瞬きすら許されぬ時の中で、確かに中島の拳が僕を目掛けて閃光のように舞い降りたのだ。
ゴッッ!!!
僕は膝から崩れ落ち、深い眠りについた。
今だからわかるのだが、それは長いようで短い時間であった。
しかし、夢の中で僕は知らない老人と確かに【会話】をしたのだ。
老人は僕にこういった。
「お前に翼を授けよう。」
怪しげな老人であった。
僕はその老人と別れ、目が覚めたのだった。
パッ。
不思議な夢であったが、このなんとも言えないスッキリとした気分はなんだろう。
そう言えば老人は「翼を授ける」といっていた。
あれは一体どういう意味だったんだろう。
翼・・・まさか飛べる?
いやいや、そんな事がある訳がない。
人間が飛べる訳ないではないか。
と、思いながらもずっとモヤモヤしていた。
僕は一度だけやってみよう。そう思ったのだ。
漫画にありがちなポーズではあったが、僕は精神を集中させた。
心を落ち着かせ“無“の境地に。
ん?体が・・・
う、浮いたーー⁉︎
えっ⁉︎
マジか!!
体が浮いた!!
なんだこれ⁉︎
体が綿のように軽い!!
と、飛んでる!!
俺、飛んでるぅー!!
慣れてくると割と自在に飛べるようになった。
つま先に精神を集中させるイメージだ。
透明のトランポリンに乗っている。そんな感じ。
少し練習したら50センチくらいは浮けるように。
あまり長い時間浮くと100m走った感じで息切れするのだ。
空中で旋回するのは中々難しいことを初めて知った。
あの老人は一体誰だったのか。
僕はもう一度あの不思議な世界へ行き、老人にお礼を言いたい。
僕に翼を与えてくれた老人に。
そしてその後思わぬ出来事が。
うっかり僕はよろけて壁に頭をぶつけた。
そのショックでそまた深い眠りにつく。
目を覚ますと、僕に翼は無くなっていた。
翼の折れたエンジェルとなった僕は、またいつも通りの生活を営むことであろう。
いつかまたあの老人に会える日を夢見て。
楽しかったひと時。
僕は確かに飛べた!
翼が生えたんだ!!
そう。まるでエイプリルフールみたいな話。
信じるか信じないかはあなた次第。
それではまた。
昨年の不思議な話。